第15回 岡山県病児保育協議会研修会報告

要綱

 令和3年4月30日(日)に「第15回 岡山県病児保育協議会研修会」を新型コロナウイルス感染症感染拡大防止の対策として、研修方法をDVD配布・視聴形式による研修会を開催いたしましたので報告させていただきます。

日時

令和3年4月30日(日)

開催方法

DVD配布・視聴形式による研修会

主催

岡山県病児保育協議会

講演内容

特別講演:『小児における感染症対策と予防接種について』

講師:塚原 宏一 先生(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科小児医科学 教授)

 特別講演では、小児における感染症対策と予防接種について新型コロナウイルス感染症を中心にご講演頂きました。始めに新型コロナウイルス感染症の現状や感染防御策とワクチンについてお話があり、令和3年3月時点での新型コロナウイルス感染状況(感染者率や増加状況等)の情報を伺いました。対策として手洗い・マスクの着用、ワクチン接種が感染拡大防止にとても効果的であることを再認識しました。例えば、①マスク着用だけでなく、着用時外側にウイルスは多く付着している為マスクの外し方や外した後の手洗いと手指消毒を行うことが重要であること。②食事は4人以下でマスク着用が必須であること。③ワクチン接種で95%の方が発症を予防することができることなど学ぶことができました。
そして、小児から成人や小児への感染は少ないことから、小児の感染は成人からであり小児を守るうえで成人の責任は多いことを知り、私達大人一人一人が人にうつさない対策をとり行動していくことがとても重要であることを感じました。
 また、新型コロナ以外の感染症についてもお話がありました。麻疹・風疹・水痘等予防接種で防ぐことが可能であり、ワクチン導入後に感染率が激減したこと、ワクチンは多くの子どもの病気を防ぎ、命を救ってきたことを学びました。特に先天性風疹症候群の話では、妊娠初期での感染に注意しなければならない為、風疹ワクチンを本人だけでなく、周りの人達も予防接種することが重要であり、受けなかった人や免疫を失った人から風疹の感染リスクを減らし、生まれてくる子どもたちを守ることができるワクチンの「コクーン(蚕の繭)」効果を知りました。改めてワクチン接種することで個人・集団・次世代を守っていくというワクチンの大切さを学びました。   

教育講演:『妊娠から始まる子ども子育て支援者養成の試み            -子ども家庭福祉士(仮称)の議論も視野に入れて-』

講師:橋本 勇人 先生(川崎医療福祉大学子ども医療福祉科 教授)

  教育講演では、妊娠から始まる子ども子育て支援者養成の試みとして、子ども家庭福祉士について中心にご講演頂きました。まず、子ども子育て支援に関わる最近の動向について成育基本法の制定についてお話を伺いました。成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策を総合的に推進することが定められており、実際日本でもネウボラ(フィンランドの母子保健制度)を基準に母子保健法を改正し、子育て世代包括支援センターが全国展開され取り組んでいることを知り、様々な機関・職種の連携の必要性も感じました。また、成育基本法のポイントとして医学の世界では産婦人科と小児科一緒にみていくこと、発達では様々な子どもがいるので何歳にこうできないといけない等決めつけずにいくライフコース論を考えていくことが大切であることを伺い、そのためには、発達段階をおさえることと子どもの可能性を信じることが必要であることを学びました。そして、現在の動向として子ども家庭福祉士(現在、検討中)児童虐待に対応すべく「子ども家庭福祉士」を専門とする新たな国家資格を創設する検討へ入っているとのことでした。
 そして、川崎医療福祉大学の取り組みについてもお伺いしました。川崎医療短期大学での今までの取り組み・実践内容や川崎医療福祉大学子ども医療福祉学科を新たに開設し、新たな取り組みや新しい保育者養成への挑戦をしていることなど様々な学びの場を提供されていることをお聞きしました。

研修会を終えて

 今回の研修会を通して、感染症への取り組みや現代の支援の在り方等考える良い機会になったと思います。新型コロナウイルス感染症に関しても日々状況が変わるので情報収集が必要でありますが、病児保育では様々な感染症に対して正しい知識と感染予防策をたて対応していくことの必要性を再確認でき、子どもには正しい手洗い方法やマスク着用についてなど感染予防策を教えていくことや保護者にも様々な感染症での予防接種の必要性や接種時期の大切さなど現場からも伝えていけるよう日々の業務に反映していきたいと思います。また、核家族や現在コロナ禍等周囲との繋がりが薄れていく現代でこれからの時代には子どもだけでなく保護者への支援やサポートが必要であると思います。私達も子どもや保護者にどう支援していくことが良いのか今後の病児保育でも課題に取り組んでいきたいと思います。

 また、今回は新型コロナウイルス感染症感染拡大防止策としてDVD配布・視聴型研修会を実施いたしました。現在もまだ新型コロナウイルス感染症の流行は続いております。引き続き感染対策を踏まえた研修会を今後も検討していきたいと思います。
最後になりましたが、研修会開催にあたりご協力して頂きました皆様に深くお礼申し上げます 。

 

記事:山陽ちびっこ療育園 保育士 薄(すすき)

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