大会長挨拶

 

第5回岡山大会実行委員会 会長 青木 佳之

 

 秋たけなわ、晴れの国岡山で開催される第5回「在宅ケアを支える診療所全国ネットワーク全国の集いin岡山」に、「生活者を支える視点」で日夜地域医療、地域福祉に御活躍の皆様の御参加を頂き深く感謝致しております。第5回の本大会の開催は新しい21世紀の診療所の医療・福祉活動の助走であり、その活動が2000年4月より導入される介護保険実施に向けての医療保険からの区切りとなるものです。介護保険制度の導入は、明治以降の私達の先輩が築き上げた保健・医療・福祉体制を大きく構造改革させ、また意識改革をおこさせるものです。 その様な大切な時期に第5回「在宅ケアを支える診療所全国ネットワーク全国の集い」が、1999年(平成11年)10月10日(日曜)・11日(月曜休日)の両日、瀬戸内の岡山市で開催される運びとなりました。テーマは「介護保険の導入を前に −医療に個別の生活を取り戻せるか− 蘇る世紀末診療所」、サブタイトルとして「地域の生活に根ざした保健・医療・福祉(プライマリ・ヘルス・ケア)の構築に向けて」と題しました。

 大病院の中では疾病を持った高齢者は患者や障害者として位置付けられますが、診療所の医療活動の中では高齢者を生活者として位置付けることにより、その高齢者の個別性や生活歴を重視し、あわせて家庭や地域での高齢者の役割を評価することになります。診療所の医療にこだわることは、近代医療の内容が科学化・普遍化する過程で捨象された人々の生活部分を取り戻すことであり、個別性の確立が図られると考えます。介護は家庭や地域での自立した生活支援活動であり、介護保険はその自立した個別性の生活を保障するものでなければなりません。

 20世紀の最後の年に当たる今日、保健・医療・福祉分野には1人口構成の少子高齢化 2生活習慣病の増加による疾病構造の変化 3医学技術の発展に伴う専門分化と高度技術化 4医療の機械化と人間性疎外化 5医療の日常生活からの乖離 6医療ニーズの多様化 7要介護老人の増加と社会・家庭からの孤立化 8医療・福祉費の高騰化などの多くの問題や課題を有しています。これらの課題を解くために、保健・医療・福祉の構造改革即ちプライマリ・ヘルス・ケアの確立が急務です。しかし、財政問題から医療・福祉分野に市場原理が導入され、医療法の改正、介護保険の導入、福祉制度の改正等、民間活力の導入が行われようとしています。

 そこで、明治以降の診療所が地域社会に果たした役割を省みながら、「世紀末の診療所」の現状を明確にしたいと思います。又、来る21世紀に向けて地域や家庭で生活する高齢者や障害者が個別の生活を取り戻すために地域に根ざした保健・医療・福祉(プライマリ・ヘルス・ケア)の構築に、診療所がどう取り組めば良いか皆様と討議したいと思います。

 尚、本大会を開催するにあたり岡山県、岡山市をはじめ、岡山県医師会、岡山県社会福祉協議会、多くの保健・医療・福祉関連団体、各職種団体、新聞社、テレビ局等のマスコミ関係者の御後援を承り深く感謝致します。

 

1999年10月10日