代表挨拶
在宅ケアを支える診療所全国ネットワーク
代表 黒岩 卓夫
秋たけなわの候となりました。
第5回目の「在宅ケアを支える診療所全国ネットワーク」全国の集いを、岡山で開催することになりました。
時節がらというわけではありませんが、医療福祉界にとっては歴史的な節目の「時」だと思います。
今回の集いは、「医療に個別の生活を取り戻せるか」 −よみがえる世紀末診療所−をメインテーマに掲げているように、世紀末の年、21世紀を見つめる年、そして介護保険制度の実質的スタートの年でもあります。
個別の生活とは、介護保険法の精神にもあるように、ケアをテーマとして、自立・選択がキーワードになり、一人一人が人間として尊重され、自分の生き方を創る中で新たな人間関係、ひいては新しいコミュニティーを創る核を意味していると思います。
医療制度も福祉の改革と連動して、大きく変わろうとしていますが、制度の変遷のいかんにかかわらず、高度医療を担う病院と、在宅ケアを担う診療所を二極として、再編されることに間違いありません。
この二極の間に、各種の施設やサービスがつくられていくと思います。
とすれば、私たちネットワークの役割はますます重要となり、各地域でのネットワークの構築を推進する、文字通りのプロモーターともみることができます。
一方、医療・福祉とも、公的サービスとしての財源不足ということから、厳しい運営を強いられ、サービスの量・質とも低下をまぬがれない危惧があります。
これを、民間サービス(福祉の場合)で補う方針は、一概に排除すべきものではありませんが、医療福祉界に貧富の差が拡大することを、どう受け止めるかという大きな課題を、つきつけられていると思います。
医療費の無駄遣いといえば、薬剤や老人医療に全て転嫁する傾向がありますが、むしろ高度医療の無駄を検討すべきと思います。
さて公的介護保険制度によって、老人のケアを公的に支える方向が示されましたが、制度の目的は、なんといっても老人の仕合せの保証です。女性が介護地獄から解放されることはよい事としても、同じに老人の仕合せを改めて考えねばならないと思います。
第5回全国の集いは、盛り沢山のプログラムを用意しました。シンポジウム・特別講演・実践交流・徹底討論会・研修会・ランチョンセミナーと、どれも会員をはじめ関係者、そして市民の方々にも見逃す事のできない内容と思います。
多くの方々が、この10月10・11日に、岡山市に参集される事を心からお願い申し上げます。