第13回岡山県病児保育協議会報告

平成30年11月11日(日)に岡山県医師会館にて「第13回岡山県病児保育協議会研修会」を開催しましたので、報告させて頂きます。

要綱

日時

平成30年11月11日(日)

場所

岡山県医師会館 (新館) 4F

主催

岡山県病児保育協議会

講演内容

基調講演:「岡山県における病児保育事業の現状と課題」

講師:渡邉 佳苗先生 (岡山県保健福祉部子ども未来課 課長)

 基調講演では、岡山県の少子化対策と病児保育事業についてご講演頂きました。少子化対策としては若い世代への意識啓発や独身男女に出会いの機会を提供するなどの出生前支援を行われており、出生後の支援としては第三子以降保育料無償化や男性の育児参加につなげるために体験型のイベントを開催するなどの対策も行っているとのことです。 病児保育については、県内の病児保育の実施概況や実際に利用した方の声、今後の課題などについてお話し頂きました。病児保育を行っている立場として、病児保育を利用してよかったという声や、利用料についての声など知ることができ、非常に勉強になり初心に戻って考える良い機会となりました。

特別講演:「病児保育でよくみる子どもの感染症・ワクチンについて」

講師:鈴木 英太郎先生 (鈴木小児科医院 院長、山口県感染症サーベイランス解析委員長) 

 特別講演では、子どもの感染症とワクチンについてご講演頂きました。様々な感染症について詳しく教えて頂きましたが、その中でもインフルエンザについては罹患して免疫を持つことが最大の防御となるとのことです。また、ウイルスに罹患する人が多いと集団免疫がつくため流行した翌年は流行しにくいという傾向があることを学びました。  ワクチンについては、生ワクチンと不活化ワクチンの2種類があることを教えて頂きました。生ワクチンは生きた病原体の毒性を弱めたものであり、摂取すると自然に病気に近い状態になるとのことですが、真の病気にはならないというもので、不活化ワクチンは病原体が死んだ状態でその成分を分解した一部を体に入れて免疫を作るものであり、こちらは免疫が弱く長続きしないため何度も間隔を空けて摂取することが必要だと学びました。各ワクチンの接種の仕方について学んだことを保護者の方に伝えていき、育児支援に繋げていけたらと思います。

教育講演:「気付けていますか?親子からのSOS ~虐待予防の視点から~」

講師:木下 あゆみ先生 (国立病院機構 四国こどもとおとなの医療センター 育児支援対策室長 小児科医師)

 教育講演では、虐待についてご講演頂きました。虐待とは、子どもの最善の権利が脅かされたり侵されたりすることで、大人からの視点ではなく、「その子どもにとって最善の権利がなされているかどうか」という子ども側の立場に立って考えることが大切だと教えて頂きました。虐待の可能性については、周辺状況と身体症状の2つの視点から考えることが必要であり、その場で明確にしようとせず関係機関の チームで話し合い、家族背景をみながら最終的に判断していくとお話し頂きました。虐待の対応とし ては家庭に対してどうしたの?大丈夫?と「おせっかい」になり、しっかりと話を聞 き早期発見、早めの対応をしていくことが大切だと学びました。

研修会を終えて

 今回の研修会を通して、県の対策について知ることができ参考になりました。また、日頃から病児保育で関わる感染症について改めて詳しく学ぶことができ、今後も正しい知識のもとに子どもと関わっていきたいと思いました。ワクチンについても接種の仕方で迷われている保護者に対して今回学んだことをお伝えすることで、悩みや不安の解消につながればと思います。虐待については、どの保護者にも起こり得るということ、そして子どもや保護者のSOSのサインを見逃さないよう一人一人と丁寧に関わる保育をしていきたいと思いました。

 最後になりましたが、研修会開催にあたりご協力して頂きました皆様に深くお礼申し上げます。

山陽ちびっこ療育園 保育士 那須

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